男前な彼女
上牧がゆっくり振り向く。
ひどく驚いたような顔をしている。
「……なんで……来たの…?」
上牧は黙ったまま、あたしをみつめている。
その表情からは、上牧が何を思っているのかなんて分からない。
「なんで来たの!?」
雨が頬を滴る。
「迷惑だったなら…悪ぃ……」
そう言って、あたしに背を向け、歩いていく。
――そんなんじゃない…
「待てよ……」
……あたしが聞きたいのは、そんな言葉じゃない。
「あんたは、あたしのことどう思ってんの!!」
あたしは…
上牧の気持ちが知りたいんだよ。