男前な彼女
「で、でも……浦河が……」
「お前、俺より浦河を信じるのか?」
「え……そういう訳じゃ…ない……けど……」
確かに、あたしは浦河の言葉を信じすぎていたかもしれない。
上牧のことを、もっと信じればよかったと、今なら思える。
「お前のこと、ちゃんと好きだ。」
上牧が、目を見てはっきりと伝えてくれるから。
「うん……」
あたしも素直に頷ける。
「大体なぁ、ただ遊ぶだけなら、もっと女の子らしい子を選ぶっつーの」
「なっ!なんだよ、それっ!!」
「じ、冗談だよ」
上牧がフッと、笑う。
こうやって、またいつも通りに話せることが嬉しい。
嬉しいよ……
「上牧……」
「ん?」
あたしはぎゅっと上牧にしがみつく。
「離れんなよ」
傘も持たず、雨が降り続くまま――