男前な彼女
高槻さんは、いとも簡単にヒーローに助けられ、俺のもとを去っていった。
「高槻さんっ!!」
俺はそう叫んだけど、高槻さんは振り向いてはくれなかった。
――負けた…か。
惨敗。
あの二人はきっと、もう揺れることはないだろう。
もし揺れたとしても、最初から あの二人の間に隙間なんてないから邪魔することなんて出来やしない。
でも、俺はどうすればいい?
積もりに積もったこの気持ちをどう処理しろって、言うんだ。
――諦める訳にはいかない。
俺は追いかけようとした。
でも、走り出そうとした瞬間。
俺の目の前に1人の少女が現れたんだ。