男前な彼女
そういえば……
「上牧って、一人暮らしなんだな」
「ん?まぁな」
母親とか父親とかの気配が全くない。
この広い部屋に一人暮らしかぁ…
羨ましいけど……
でも……
「寂しくない?」
「そう思うなら一緒に住んでくれよ」
「ふざけんな」
「へいへい」
何にもなさそうにしてるけど、絶対寂しいはずだよね……
「もう馴れた。いっそ、すがすがしいよ。俺、両親があんまり好きじゃないから」
そう言いながら、天井を見上げる。
そんなこと、簡単に言うなよ……
「あ、それより」
「ん?」
「この間は悪かったな。強引にあんなことして」
あんなことって…
もしかして…
というか、もしかしなくても…
“あれ”のことだよなぁ…
前、ここに来たときの……
あまり思い出したくはないが……