男前な彼女




南があたしの方を見る。




――もしかして話さない方がよかったのかな…?







と思っていたら、南は上牧の方に向き直る。







「べ、別に…仲なんか……」







顔を真っ赤にして何言ってんだか…







「そ、それより!上牧君の具合はどうなの?」


「はぁ?」


「この時期に風邪なんて、大変ねー!」






話題を変えようと必死になっている。





南はこのことにあんまり触れてほしくないみたいだ。





――人のことには、いつも首つっこんで来るのに…案外、照れ屋なんだな。





それもこれも、浦河の存在がそうさせているのだろうか…













「あ、そういえば。上牧君が寂しがってると思って、いろいろと人を呼んでおいたからね」


「え、いろいろって…」







--ピーンポーン













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