男前な彼女
「やっぱり似合うねぇ~。その服」
更衣室から出てきたあたしを、笹岡さんはじろじろ見ている。
――そんなに見られると、さすがに照れるんだけどな…
「すっげ~。俺より似合ってんじゃん!」
そう言いながら、笹岡さんの後ろから出てきたのは……えーと…誰だっけ?
「あ…えと……」
「あ、俺の名前分からない?」
「すいません……」
「いーよいーよ。まだ、入ったばっかだし。俺の名前は小林 悠【コバヤシ ユウ】。よろしくな」
なんだか、“しっかりしたお兄さん”って感じの人だ。
どうやら、小林さんは2ヶ月前からこの店で働いているらしい。
歳はあたしより3歳上で大学生。
南が隣から小声で話しかけてきた。
「小林さん、いい感じの人だよねぇ!かっこいいし!」
だから、そんなこと言ってると浦河が……ごほん
「新入りの子には優しいのね~」