男前な彼女
あたしは笹岡さんにその人のところに注文をとりにいくように言われたので、一歩ずつその人に近づいていった……
近くでその姿をみたとき、あたしは唖然とした。
「……お前、何してんねん」
「なんで関西弁やねん」
「お前……上牧だろ?」
ニット帽にサングラス。
顔は分かりづらいけど、妙に跳ねたふわふわな髪は上牧のものだと分かった。
「えー。上牧って誰ー?知らないなぁー」
「お前なぁ……『男前な彼女』が、やっと200ページを越えて、落ち着いてきたっていうのに…
もうちょっとマシなことが出来なかったのか!」
「知らねーよ」