男前な彼女
――寝起きが超悪いのかぁぁ!!
「……俺の眠りを妨げるとは…許せん……」
「のわっ!!」
それはもう、不機嫌そうな顔をした上牧があたしの上に乗る。
「なっ……こら!……っい!首筋噛むなぁ!!」
「ガシガジ」
「犬か、お前は!」
しばらくして、スッキリしたのか、上牧があたしの上からおりる。
今だに不機嫌さが残る表情で髪をかきあげる仕草は、あたしじゃなくてもドキッとするような光景だろう。
「…で?起こした理由は何?なんとなくだったら許さん」
「もう帰ろうかと思って。時間も遅いし」
「あぁ、そういうことね。じゃ、送るわ」
――こいつ……!
さっき、あたしにあんなことしといて、ケロッとしてやがる。
つくづく、ムカつく。