男前な彼女
ヒトリゴト
――しまった……
あたしは大変な事をしてしまった……。
高槻咲夜、16歳。
ただいま、学校へと向かう通学路。
ピーンチです!!
◆◇◆◇◆
昨日の夕食のとき、
海兄ちゃんがバイトだと聞いた後、あたしは考え事をしていた。
――25日かぁ…。クリスマスねぇ。もうそんな時季かぁ……
もちろん、上牧とのクリスマスのことだ。
「なぁ咲夜、今度のクリスマスだけど……」
ぼーとしているあたしに、朝陽兄ちゃんは話しかけた。
当然、あたしにその言葉は届いていなかった。
「家族でどこかに……」
途切れ、途切れの言葉しか頭に入らない。
――上牧、クリスマスどこに行くつもりなんだろうなぁ……。あ、そうだ。何着ていこう……
この時季だ、どこに行っても寒いだろう。
「……どうだ?」
「うん……いいんじゃない?」
あたしはなんとなくで返事をした。
これが間違いだったんだ。