男前な彼女
しかしまだ焦る必要なんてない!(もう、めちゃくちゃ焦っているが)
――こっちの予定を変えなくても、上牧の予定を変えればいいんじゃないか……!
そうだそうだ……
なんでこんな簡単なことに気付かなかったんだ。
あはは。
上牧なら『あぁ、別にいいよ』って、言ってくれるさ。
焦る必要なんてなかったよ。
あぁ良かった。
そんなに一大事でもなかったなぁ。
自分の中では、これでなんとかなると思っていた。
それなのに…
「咲夜!25日の約束、忘れんなよ!」
学校で顔をあわせた途端の上牧の第一声に、あたしは硬直せずにはいられなかった。