男前な彼女



でも、盗み見していたあたしも悪い。


それは事実だ。







「まったく…イチャイチャするのはいいけど、時と場所を考えてほしいものだよね」




仕事中だっていうのに、と笹岡さんはぶつぶつ言っている。







「今後こういうことがないように、二人にはよく言っておくよ」




そう言って、ニコッとする。





こういうときの笹岡さんは、やはりオトナっぽい。



普段は、はしゃいでいたり、子供っぽいところが多い笹岡さんだから、あまり感じなかったが…


やっぱりオトナなのだ。







「……あの二人の関係を知らなかった訳じゃないよね?」






俯いたままのあたしを不思議に思ったのか、心配そうな顔をして聞いてくる。






「いえ、そういう訳じゃないんですけど……


ただ、小林さんと水渡さんの普段とのギャップに頭がついていってないというか……」



「あぁ……」









< 235 / 412 >

この作品をシェア

pagetop