男前な彼女
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「……や!」
誰かに体を揺さぶられる。
「起きろって、咲夜!!」
「…ん……んん?」
目を開けると、そこには厚着をした朝陽兄ちゃんがいた。
「……何?」
「出かけるぞ!!」
「…は…い……?」
デジタルの時計に目を向ける。
そうか、今日は…
――12月…25日……か…。
とうとう来ちゃったんだな……
この日が……
無論、まだ何も決めてない。
けれど、もう遅い。
時計を見ながらぼーとしているあたしに朝陽兄ちゃんは声をかける。
「ほら!早く着替えて!」
「う、うん……」
――そうだ。
上牧は『25日に家に来い』と言っただけだ。
『何時』とは言ってない!
よし。
家族との予定をなんとか早く終わらせて、それから上牧のところに行こう!
屁理屈だということは、当然 分かっている。
けど、これ以外に手はない。