男前な彼女
◇*.・゚.・゚.・゚.・゚
◇*.・゚.・゚.・゚
「はっ!!」
「お。起きた?」
――車の……中……?
どうやらあたしは、山からの帰り道に車の中で眠ってしまっていたようだ。
窓の外は真っ暗。
――……え?
真っ暗?
「ぎゃーーーーー!!」
「どどど、どうした?」
朝陽兄ちゃんが反応する。
「……なんでもない」
「嘘つけ」
上牧との約束……
いくらなんでも、遅すぎる!
――早く行かなければ!!
「よし、着いたぞ」
朝陽兄ちゃんは庭にゆっくりと車を止める。
――言わないと!
『上牧のところに行ってくる』って!