男前な彼女
今日、だけだから
--ピーンポーン
「はぁ…はぁ……」
あたしは息を切らしながら上牧の家のチャイムを押した。
――多分、怒ってるよね…
というか、絶対に怒っているだろう。
上牧のことだ、また『お仕置き』とか言って何かするに決まっている。
…………。
――期待…してるのか?
アリエナイ。
そんなこと、絶対にありえるハズがない。
――なんだ、最近おかしいぞ!自分!落ち着け!
あたしは上牧によって生活リズムを狂わされているのだ。
そうに違いない。
全部、上牧のせいだ!
…………。
勝手に人のせいにして、頭の中での独り言を終えたときに気がついた。
――そういえば、上牧出てくるの遅くないか?
まさかいない?
そんなことあるのか?