男前な彼女
「……ん…んん」
何度も、何度も唇を重ねる。
あたしからキスしたはずなのに、今 主導権は上牧にある。
軽く触れて、深く口付けて。
意識が持っていかれそうなぐらい、じっくりとあたしを溶かしてく。
ついには、舌の侵入も許してしまった。
――今日だけだから…
そんな言い訳を心の中で囁いて。
おとなしく、されるがまま……
「ん……はぁ…はぁ」
上牧は唇を離し、首筋にキスを落とす。
――上牧だって、余裕なんてない。そうだよね…?
ふと、上牧にじっと見つめられていることに気づく。
その視線が、また あたしの体を火照らせる。
「な、何…?」
ーーガバッ!!
ふわっと体が宙に浮く。
何かと思ったら、あたしは上牧にお姫様だっこされていた。