男前な彼女
ヒトリじゃない
◇*.・゚.・゚.・゚.・゚
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「で、遅れた理由は何だ?」
夜の11時。
あたしは痛む腰をおさえながら起き上がる。
上牧が持ってきてくれた水に少しだけ口をつけた。
「言っとくけど、それなりの理由じゃなかったら許さないからな」
さっきまで泣き顔だった上牧だが、今は結構 落ち着いている。
少なくとも、さっきまでの余裕の無さそうな顔はどこにもない。
――なんなんだこいつは……
泣いていたかと思ったら、元気になって、俺様に戻り。
甘えてるのかと思ったら、命令口調。
思えば、こいつ…
俺様というより、甘えたいだけなのかもしれない。
――甘えたいけど、素直じゃないから命令してるだけなのかも……