男前な彼女
「あの~……何の話ですか?」
きょとんとした顔で聞いてくる。
「あぁ……えと……橘 隼人さんの妹さんですよね?」
「え!お兄ちゃんを知ってるんですかぁ?」
知ってるもなにも、家が隣なんですけど……
「実は家があなたの家の隣でですね…昨日、あなたのことを聞いて、探してたんです」
「私のことを探してた…?なんでですか~?」
う……
それを聞いてくるか……
「咲夜ったら、あなたのお兄さんに恋をしてましてね。うふふ……」
「あ!こら南!!」
「もう~。顔、赤くして~。かわいいんだから~」
あたしは照れながら南をぽかぽかと叩く。
それまで、黙ってあたしたちのやりとりを聞いていた上牧の眉がぴくっと動いた気がした。