男前な彼女
『…………離せよ』
男から橘を守った咲夜、マジでかっこよかった。
震えながら、自分より身長が高い奴を睨み付けてたよな。
本当は怖いのに、自分より他人を優先した。
「でも、やっぱり女の子だった…」
人前では泣けないから、屋上で……
誰にも頼らず…
一人で泣いて……
弱くて。
それでもプライドは高くて。
「…俺は守りたいと思いました」
咲夜の泣き顔を見たとき、『あぁ……女の子だ』って、思った。
どんなに男前でもちゃんとした女の子で…
強いけど、弱いとこもあって……
俺が守りたい…いや、俺しか守れないんじゃないかと思ったんだ。