男前な彼女
1月1日。
夜12:40。
こんなメールたちが届いた。
電波が混んでいるだろうから、すぐには届かないと思うけど、あたしもすぐに返信した。
今は初詣に行く車の中。
もちろん運転は朝陽兄ちゃん。
「携帯よく鳴ってるなぁ、咲夜」
「友達からあけおめメールがいっぱいきてるから」
――いっぱい、っていうか3通だけど……
「あけおめメールねぇ……俺なんて1通もきてないけど……」
あたしの隣に座っている海兄ちゃんが携帯を開けて、画面を眺める。
「多分、混んでてまだ来てないだけだよ。遅れて来るかもしれないよ」
海兄ちゃんは、穏やかな性格の上に、兄ながらルックスもいいから、かなりモテるハズだ。
女の子には間違いなく人気だろう。
「そういえば、母さんの携帯もよく鳴ってるね」
海兄ちゃんは自分の携帯から、お母さんのそれに視線を移す。
確かに、さっきからお母さんの携帯もよく鳴っている。
「あぁ、まぁね…」