男前な彼女
あたしもリビングに戻る。
「…ひっ!」
ドアを開けて目に入った光景は、あまりに刺激的なものだった。
――な、なななな……
なんですとーーーー!!
「…………」
「…んっ……ぁ」
お父さんとお母さんがキスしていた。
――いや、夫婦だから別に変じゃないんだけど…
普通、子供の目につく所でするか…?
――っていうか、恥ずかしい!!
「お出迎えもなしなんて、寂しいじゃないか」
「や……ちょっ、だめ…こ、んなところ…で…」
「そう?だったら、寝室にでもいくかい?…でも、我慢できそうにないな」
お父さんがお母さんを抱くようにしてキスしてる。
お父さんの足下にはバッグ。
まともにバッグも置かず、真っ先にお母さんの所に行ったらしい。
――ホントに…この二人って……
なんというか、いつまでもラブラブというか…
ある意味 理想の夫婦だ。
そんなことを考えていると、後ろから目隠しをされた。
「子供には目の毒だよね」
海兄ちゃんの声がする。
どうやらこの手は海兄ちゃんのものらしい。