男前な彼女
「べ、別に…子供じゃないし…っ」
「あぁ…そうだよねぇ。咲夜も上牧君とああいうことしてるんだもんねぇ」
「…な!海兄ちゃん!」
「だって、本当のことでしょ?」
海兄ちゃんは意地悪く言った後、あたしから手を離した。
相変わらず、お父さんとお母さんはキスをしてる。
いつものふざけた顔ではなく、真剣な男の顔のお父さん。
お母さんは、頬が赤く染まっていて、なんか…色っぽい……
――って…人がキスしてるところなんて、まじまじと見るものじゃないよね……
あの二人見てたら、こっちまでドキドキしてきた。
――あれ、そういえばこの部屋には朝陽兄ちゃんもいたんじゃなかったっけ?
朝陽兄ちゃんは一体どういう反応をしてるんだ?
あたしはキョロキョロと周りを見渡した。
――げっ!!