男前な彼女




朝陽兄ちゃんは顔を真っ赤にして目を見開いている。



どうやら、新聞を読んでいたところらしい。


新聞を片手に、ソファの上で放心状態になっている。




こういうことに免疫がないのは、あたしより朝陽兄ちゃんではないか。






「兄さん、初々しいよねぇ。キスぐらいで顔を真っ赤にして……」


「…海兄ちゃん、なんか馴れてる感じだね」


「そう?普通だよ。普通」




海兄ちゃんに彼女がいるかどうかは知らない。


だけど、海兄ちゃんの発言からはそういうことに馴れているようにしか思えなかった。




――なんか意外……





朝陽兄ちゃんは予想通りだけど。






――兄ちゃんたちは、どういう恋愛をするんだろう?




初めてそんなことを考えた。












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