男前な彼女
あたしがそう言うと、上牧の目が怪しく光る。
「それが何だ?」
「はい…?」
分かってない。
――分かってないよ、この人…!
「…だから!他の人に見られたらどうすんの!」
「そんときは、そんとき。見せつけてやればいい」
--ドキン
不覚。
こんなのにときめくなんて……
「…んん……」
あたしは迫ってくる上牧に抵抗しなかった……
「……は…ぁ…やっぱ、ダメ…」
「大丈夫、これ以上のことはしないから…」
――そんなの当たり前だろ!
こんな場所で、これ以上のことをされたら、あたしは間違いなく上牧をこの丘から投げ捨てるだろう。
――でもまぁ……
朝日をバックに上牧とキスしている。
そんな出来事を…
平穏で、幸せだと思った。