男前な彼女
第10章【離れゆく心】
遠ざかる声
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あれから2ヶ月。
なんにも変わらない日々。
学校で話したり、時々大和の家に行ったり…
大した事件もなく、幸せな時間を過ごしていた。
「咲夜ちゃん、そろそろあがっていいよ~」
笹岡さんがにこやかに言った。
どうやら今日のバイトは早めに終わっていいらしい。
「はーい。ありがとうございます」
「『バイトが早めに終わったわけだし、大和の家にでも寄ってみるか』」
「な、なんですかそれ…?」
「咲夜ちゃんが思ってること。多分そう思ってたでしょ?」
「ぎくっ」
――す、すごい……
思ってることをそのまま代弁された。
「ったく、ラブラブなんだなぁ」
笹岡さんはあたしの様子を見て笑っている。
――最近、大和の家に行ってないし、行ってみるか…