男前な彼女
--バタン!!
廊下の奥にある部屋のドアが勢いよくひらいた。
「なぁにーーーー!咲夜がデートォーーーーー!!許さん!!兄ちゃんは許さんぞぉーーーー!!」
……この人は長男。
高槻 朝陽【アサヒ】。
…妹のあたしでも解読不能なときがある。
つまり、変わった人だ。
…にしても、どんだけ地獄耳なんだよ。
「朝陽兄さん、咲夜ももう子供じゃないんだし……」
「いいや!デートなんてまだ早い!行くなぁ!!咲夜ぁぁ!!」
あたしは朝陽兄ちゃんを無視しながらすたすた歩く。
「いってきま~す」
「咲夜ぁぁぁぁ!!」
まったく……あの人は…
子供扱いしすぎ……
「海……お前、驚かないのかよ?」
「びっくりしてるよ、まさか咲夜にこんな日がくるなんて…」
「めちゃくちゃオシャレしてたなぁ…スカートなんてはいて…」
「……それだけ、本気なんだろうね…」