男前な彼女
不穏な足音
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放課後の文芸部室。
あたしと南と詩織は、“バレンタイン特集”と書かれた雑誌をペラペラめくりながら話をしていた。
「咲夜はどうすんのー?買うのー?やっぱ手作り?」
もうすぐ大和と付き合い始めてから初めてのバレンタイン。
正直、今までこういうイベントにあまり興味がなかったが……
――チョコレートぐらい、あげてもいいかな…?
「うーん…できれば作ろうかな、って思ってる」
大和もそっちの方が喜ぶ気がするし。
「あらまぁ、ラブラブねぇ。熱いわぁ…。外はすんごく寒いのにあんたら見てると温まるわ」
「何言ってんの。あんたたちだってラブラブじゃん」
「今はラブラブしてる場合じゃないんだって!」
南は、あの浦河の性格をなんとかしようと今 頑張っているところらしい。
――まぁ、顔はかっこいいからねぇ……
あの顔でヘタレがなくなると、かなり男前になるだろう。