男前な彼女
大和は後ろに倒れ、尻餅をついた状態になっている。
俯いていて、表情が見えない。
今日の大和…
なんか…怖い……
あんなことをしておいて、息一つ乱れていない。
それに今だって、あたしに蹴られて倒れたのに痛そうにしないし……
何……?
何が起こってるの…?
「ハァ…ハァ…」
頭の中がぐちゃぐちゃになっているあたしの呼吸は乱れて、落ち着かない。
大和はむくっと立ち上がった。
また何かされるんじゃないかと身構えたあたしの横を通り過ぎ、玄関に向かっていった。
……大和はあたしの横を通り過ぎるとき、小さな声で、こう言った。
「…ごめん……」
あたしは、からっぽになってしまった部屋の中で、乱れた服のまま、涙が頬を伝うのを感じていた。