男前な彼女




あたしは門の奥にある、とてつもなく大きな家をまじまじと見つめる。


ここに、大和がいるかもしれないんだ…




必ずしも、ここにいるとは限らないことなんて、分かってる。



ホテルとかに泊まってるのかもしれないし、もっと他のことをしている可能性だって十分ある。




それに……




『俺、両親があんまり好きじゃないから』




いつか聞いたことがある。


その言葉。


あの時はあまり深く考えなかったけど、大和は両親が好きじゃなくて家を出たのかな?


だったら、ここにはいないかもしれない。





でも、まぁいい。



今ここで、ごちゃごちゃ考えたって仕方がないし、


今のあたしに出来ることって、多分これぐらいだと思うから…









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