男前な彼女




辺りを見回すと、ベッドがあったり勉強机があったり…


どうやら大和の部屋らしい。




…にしても広い。


本当にこどもの部屋?


うちのリビングにあたしの部屋を足したぐらいある。


本当にお金持ちなのだ、ということが一目で分かった。






「お前、何しに来たんだ…?」




あたしが辺りを見回している間に、大和はじりじりとあたしに近寄って来ていた。


あっという間に背中が壁にくっつく。





――どうして…?


目の前にいるのは大和のはずなのに……


何か違う…




「また、襲われに来たのか?」




壁に手をついて、怪しい笑みを浮かべる。


そして、反対側の手であたしの顎を掴む。




「…っ!やめろっ!そんなんじゃない!!」




あたしは、大和の手をおもいっきり振り払った。


大和は顔色一つ変えない。









< 344 / 412 >

この作品をシェア

pagetop