男前な彼女




背後からの声。



振り向くと、そこには髪が少しふわっとした男の人が立っていた。


なんだか、とても若く見える。




「はじめまして。高槻咲夜さん」





なんだろう…?


この息苦しい感じ……




――怖い……





「大和の父です。いつも大和がお世話になっているそうで」


「い、いえ……」





威圧感が、すごい……


笑っているのに…


睨まれているような……



あたしは一歩下がった。





「あなたのこの家での行動は全て見ていましたよ。いやぁ、運動神経がよろしいようで」


「……全て…?」


「えぇ、全て」




じゃあ、塀を越えた所からずっと…見られてたの…?









< 346 / 412 >

この作品をシェア

pagetop