男前な彼女
背後からの声。
振り向くと、そこには髪が少しふわっとした男の人が立っていた。
なんだか、とても若く見える。
「はじめまして。高槻咲夜さん」
なんだろう…?
この息苦しい感じ……
――怖い……
「大和の父です。いつも大和がお世話になっているそうで」
「い、いえ……」
威圧感が、すごい……
笑っているのに…
睨まれているような……
あたしは一歩下がった。
「あなたのこの家での行動は全て見ていましたよ。いやぁ、運動神経がよろしいようで」
「……全て…?」
「えぇ、全て」
じゃあ、塀を越えた所からずっと…見られてたの…?