男前な彼女

☆南目線☆




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送信完了しました

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携帯の画面に書かれたその文字を見て、一息つく。




今日、咲夜は上牧君の実家に行くと言っていた。


だから、少しでも励みになるかと思ってメールを送った。



『頑張って。』としか書かなかったけれど、咲夜は意味を感じとってくれたはずだ。






「咲夜ちゃん、大丈夫かなぁ……」





今は詩織と一緒に公園にいる。



咲夜が『やっぱり、一緒に行ってくれない?』と言ってくるのをちょっとだけ期待して、集まっていたのだ。




でもまぁ結局、咲夜は呼んでくれなかったけど…



…よく考えたら、咲夜がそんなことしないのは目にみえていた。




あの子は人に頼らない。



本当は弱いのに、どこまでも一人で突っ走って行く。


それを本人が自覚しているのかどうかは、分からないけれど。






「大丈夫でしょ!きっと…大丈夫」




不安そうな顔の詩織に言う。



私が今言える事は、こんなことぐらい……









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