男前な彼女




詩織は、穏やかに笑う。



口に出したことはないけど、私は詩織の笑顔が結構好きだ。





「南ちゃんと咲夜ちゃんって、本当に仲が良いよね。」


「え?そう?」




ついでに言うと、ほわほわした喋り方も好き。


なんというか…癒される。





「うん。言葉にしなくても、繋がってる、っていうか……」


「そうだなぁ…中学校からの仲なんだけど…咲夜とはそれよりもずっと前から、一緒にいたような…出会ってまだ3・4年っていう気がしないんだよね」


「羨ましいなぁ…そういう友達がいるのって…」


「羨ましい…?」


「私、そういう友達…いないから…」




心から信頼し合える。


言葉にしなくたって、なんとなく相手の気持ちが分かる。


そんな相手に出会うのは、確かに難しい事だと思う。



でも……





「あー!その発言ひどいー!詩織は私や咲夜のこと、そういう友達だって思ってなかったんだー!」


「えっ!えぇっ!ち、ちがうよぉ…!」




オロオロしている詩織が、また可愛い。










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