男前な彼女
――女の子…。
棚の陰から女の子が現れた。
黒髪にウェーブがかかっていて、すごく上品そうな……
じゃあ今の『出てこいよ』っていうのは…あの子に言ったのだろうか?
「いつからいたんだ?」
「ずっと…いましたよ」
「だから、いつからなんだ?」
「…ずっとです」
女の子もベッドに座る。
何…?
これは、どういうこと?
上牧君のお姉さん?妹?
…いや、そんな感じじゃない…
だって今……
――キスしてる……
目の前で起こっていることが信じられない。
このことを話したら、咲夜はどう思う?
また、泣いてしまうだろうか…?
いや、それ以前に……
私はこの事を咲夜に告げることが出来るだろうか…?
私はカーテンの隅に一人、立ち尽くしていた――