男前な彼女
「おいで」
隼人さんはあたしに手招きをして、歩き出す。
「ちょっと話でもしようよ」
あたしは黙ってついていく。
――隼人さんには、甘えちゃうな…
どうしても…
あたしの初恋の人……
隼人さんはあたしを自分の部屋にいれてくれた。
「はい、お茶」
「あ、どうも……」
あたしにお茶を手渡すと、テーブルを挟んであたしと向かい合うように座った。
お茶を一口飲む。
みるみる体が落ち着いていくのが分かる。
「咲夜ちゃんが泣いてるなんて…珍しいよね」
隼人さんはお茶をテーブルに置いて、静かにそう言った。