男前な彼女

「何があったの…？」




そう言う隼人さんの目も、どこか寂しそうで…




――やめて。



そんな顔をされると、嘘がつけなくなる。








「恋って、難しいですよね……」


「え…？」






言うつもりもなかった言葉が口から出ていた。








「“好き”って言葉が言えなくて…」




『あんたは、あたしのことどう思ってんの！！』


大和とすれ違った。






「伝えることが出来なくて…」




『言ってしまったら、もう元の関係には戻れない…』



隼人さんとの関係も頭の中で想像するだけで終わった。





「些細なことでも、簡単に傷付いて…」




『おせぇよ…バーカ…』



大和を泣かせてしまったことだってある。