男前な彼女
――共感、って……?
どうして隼人さんが…?
「…あっ、あの……」
「あんまりうまくいってなくてね」
聞いていいものなのか躊躇われて、言葉を詰まらせたあたしに、隼人さんは言った。
「うまくいってない?」
「そ。静香とね」
静香さん。
一度だけ、文化祭で会った……
隼人さんの彼女。
「静香が何を考えているのか分からない…」
そんな悲しそうな顔で。
「僕たち似た者同士だね」
無理して笑顔を作られると。
――期待しちゃうから…
隼人さん、ズルい。
貴方に、もう一度惹かれて。
――また、好きになっちゃうよ……?
長い間、眠っていたハズの想いが、またわき上がってくるようで。
あたしは、隼人さんに気付かれまいと、
少しぎこちない、笑顔を溢した。