男前な彼女
「さて、と。何から話してもらおうかな」
相変わらず、片付いた部屋。
海兄ちゃんは本を読むのが好きで、部屋には たくさんの本が置いてある。
ちっちゃい頃に、よく本を見せてもらってたっけ……
そんなことを、今 思い出す。
「じゃあまず、何があったのかを聞かせてもらおうかな」
海兄ちゃんは変わらず落ち着いた口調だった。
こういう時、落ち着いた対応をしてくれるのはいつだって、海兄ちゃんだ。
本当に、頼りになる。
あたしは海兄ちゃんと視線を合わせることなく、呟いた。
「隼人さんが……好きかもしれない…」