男前な彼女




「兄ちゃん、あたし……」




――本当は……




「怖かった……っ…大和があたしのこと『いらない』って言う日が……」




本当は怖くて仕方がなかったのに、



誰にも言えなくて……




「ごめんね、気付いてあげられなくて…前から様子変だったのに…」




海兄ちゃんは頭を優しく撫でてくれた。




「きっと待ってるよ…上牧君も…」


「でも、また答えてくれなかったら…」


「大丈夫!…その時はまた追いかければいい。だから、上牧君に素直な気持ちを伝えてごらん?


きっと、答えてくれる」






答えてくれなくてもいい。





振り向いてくれなくてもいい。





どこまでも追いかける。





でもまた、へこたれてしまった時は…








その言葉をお守りに……










「うん!頑張ってみるよ!」








また……











追いかける――














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