男前な彼女
――とは言っても…
大和はずっと実家にいるわけだから、あそこに行かない限り大和には会えない。
けど、もう大和の実家に忍び込むのは無理だろうし…
打つ手なし、って感じだ。
途方に暮れているあたしだが、学校にいかないわけにはいかない。
朝から存分に頭を使いながら、学校に向かう。
登校中、あたしはよく女の子に手を振られる。
「おはようございま~す!」と言われるから
あたしも「おはよ」と言って、手を少し上げる。
いつものあたしなら、そうしてる。
だけど、今日は出来なかった。
気分じゃなかったし、
そんな元気もなかった。
「あ、南」
教室に行くと、窓際でぼんやりしている南の姿があった。