男前な彼女
ここの角を曲がれば、校長室が見える…!
夢中で走っていたら、もうそんな所に来ていた。
あたしは目の前の角を曲がった。
「大和!!」
そこには、校長室から出てきたばかりであろう、大和がいた。
あたしに気付いた大和は、目を見開いた。
あたしは、大和の元に駆け寄り、必死な気持ちで肩を掴んだ。
「…お前っ、学校…やめるって…」
息を切らしながら、必死に言葉を探す。
でも――
「本当なの?」
「…………」
相変わらず、大和の返事はなく…
ただ、
悲しそうな表情を浮かべるだけ。
「大和……」
どうして、何も答えてくれない?
あたしのことはもうどうでもいいのか?