男前な彼女
仲間
校長室から静かに出てきたのは――
一度、見た事がある。
――大和のお父さん。
その後ろには、初めて見る女性。
綺麗な人だ。
おそらく、大和のお母さんだろう。
一歩下がったところに立って、心配そうにこっちをみつめている。
「君は、あの時の…」
大和のお父さんはあたしを見て、顔色ひとつ変えずにそう言った。
そして、余裕の笑みを見せた。
「大和を取り返しに来たのかい?でも、もう遅い。退学届は出した。…タイムオーバーだ」
どうして……
あたしたちはうまくいかないんだ。
普通に、
普通に……
ただ、一緒にいたいだけなのに……