男前な彼女
なんだよ……このかっこ…。
俺は帽子を被り(被らされた)、眼鏡なんてかけている(かけさせられた)。
変装のつもりらしい……
諏訪はサングラスに麦わら帽子。
今は7月。
麦わら帽子はこの時期にはぴったりかもしれない。
……そして
「なんでこいつまでいるんだよ…?」
「ついてきちゃいました~」
にっこり微笑む橘詩織。
「いいじゃないの。このデートが出来るのは詩織ちゃんのおかげみたいなものなんだから~」
「……まぁ、いいけど」
茂みに隠れ、待つこと10分。
橘隼人が現れ、高槻の家のチャイムを押す。
俺は、出てきた高槻を見て、目を見開いたんだ。