男前な彼女
「キャー!咲夜かっこいいよー!!」
「咲夜ちゃん、ホントに執事さんみたい~」
そんな…南と詩織まで…
「写メ撮ろ!写メ!」
「今度の小説に使わせてもらおう…」
それぞれの理由で、はしゃぎまわる2人。
なんなんだ、この2人…
「おう!お前も執事服に着替えたのか!」
どこからともなく降ってきた、この声は…
「またお前か…かんま…」
振り向いて上牧を見たあたしは驚いた。
「……き…」
執事服を見事に着こなしている。
か、かっこいい……
思わず見惚れてしまうほど、よく似合っていて…
いつもと違う大人っぽい雰囲気に、正直ドキッとしてしまった。
こんなのにあたしが勝てるわけないじゃん……
只でさえ、男だというハンデが向こうにはあるのに、こんな風に着こなされてしまったら…
勝てる要素なんて、どこにもない。