男前な彼女
詩織を席につかせたあと、あたしはケーキと紅茶を持ってきた。
「わ~美味しそう~!これ、手作りだよねぇ?誰が作ったのぉ?」
詩織がケーキを指さす。
「南とクラスの女の子たち」
「へぇ~。南ちゃんもお手伝いしてるんだぁ。いっただっきま~す」
詩織は「おいし~!」と言いながら、ケーキを頬張る。
「そういえば詩織、文芸部で作品を展示してるんだよね?」
あんまり敬語を使うと詩織が笑うので、普通に喋ることにした。
「うん!原稿が今あるんだけど、読む?」
「おぉ!読んでみたいかも」
天然 極まりない詩織が、どんな作品を書くのか…
気にならない訳がない。
「はい!どうぞ」
詩織が原稿を手渡す。
そして、あたしの目に飛び込んできた文字は…
『愛と青春!~争いの中での恋~』
………………。
……タイトルからものすごくインパクトがあるんですけど……