男前な彼女
「ったく、なんなんだよお前、さっきまで泣いてたかと思えば元気じゃねーか」
少しふてくされたような声で、上牧が言う。
確かに、すっきりした気がする。
久しぶりに他人の胸で泣いて、心が軽くなったような気さえする。
人に頼るって、こんなにも楽なんだって、実感した。
「俺の執事服を濡らしといて、あげくのはてに、この俺を殴るとはいい度胸じゃねーの」
せっかく避難したのに、上牧はこっちに歩いてくる。
え……この状況はヤバくない?
おそらく上牧君の顔がひきつってますねぇ……えぇ……
って、それどころじゃなーい!!