男前な彼女
「そ、それ……どういう…」
--ガンッ
…意味、と言おうとしたとき、上牧の手があたしの後ろのフェンスを掴んだ。
「そうか…誰にも乱されたことがないわけか…」
…意味が分からない…
「そのクールな裏にあるお前の顔が見てみたい…」
上牧が舌なめずりをする。
――危険。
脳がそう叫んでいる。
逃げろ、と何度も言っている。
…しかし、その判断はどうやら遅すぎた…らしい…
「な、何…言って…
…んっ……」
気付けば、至近距離に上牧の顔。
焦点なんて合うはずもない。
唇に唇が触れる、初めての感触に、頭はパニック。
抵抗しようと思い、手を出したらその手は捕まってしまった。