男前な彼女
やわらかそうな茶色い髪、整った顔、軽く175cmはあるであろう長身。
あたしの目の前に、おそらく、分けるならばイケメンという分類であろう男の子が現れた。
あれが上牧 大和……
ふ~ん…確かにかっこいいかもねぇ……
あたしなんかと比べられて…
可哀想に……
同情するよ。
あたしが哀れみのこもった目で眺めていると、
ふと、目があった。
そして、目があったと思ったらズカズカとこっちに近づいてくる。
おいおい…なんだい?
「お前、高槻 咲夜?」
あたしの目の前で足を止めた上牧 大和の第一声。
『お前』とは失礼な。
とりあえず初対面だぞ。
しかも、偉そうな顔しやがって。
「そうだけど?」
負けずに睨み返してやった。
わぁ……周りに人が集まってきちゃったよ~
あたしこういうの苦手なんだよなぁ……