男前な彼女
「おかえり、咲夜ちゃん!昨日はかっこよかったね、執事姿!」
昨日、あの後何があったかなんて、あなたは知らない。
「いえいえ……」
「静香もすっごく褒めてたよ!」
その言葉が、どれだけあたしを傷つけているかなんて、知るわけがない。
「それはよかった。これからも静香さんと仲良くしてくださいね」
あたしがどんな気持ちでこの言葉をあなたに捧げたかなんて、知らなくていい……
あたしの精一杯の気持ちだった……
泣きそうになるのを必死に抑えて、自分の中での最高の笑顔をつくった。
あたしが隼人さんに出来ることはこれしかない……