ウソ★スキ
なんだか、顔を合わせられない。

ソラとこうやって2人で話をするのは、あの土曜日以来初めてだった。




あたしの背中に、ソラの声を感じる。


「先輩と、付き合うのか?」


それは、一体どんな表情をしながら言っているのか全く分からない、

淡々とした言い方だった。


「ソラには関係ないっ」



もう……

なんでこんなこと聞いてくるのよ。



「でも……先輩があたしでいいって言ってくれるんなら……あたしは断る理由がないから」



売店の先輩は、ペットボトルを2本選ぶと、レジの方へ進んでいく。

レジには、3人ほどお客さんが並んでいて、

先輩はその後ろについて順番を待っていた。



その時、ふと、背後のソラが、あたしの座っているベンチの背もたれに手をついた気配がした。








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