ウソ★スキ
「だけど……徹先輩と、うまくいってよかったよね」

そこでキラはようやく頭を上げた。



あたしはとっさに、こわばっていた表情を隠した。

「うん、キラたちのおかげだよ。ありがとう」


ぼさぼさになった髪を手で直しながら、キラはあたしを見つめた。


「美夕はかわいいもんね。ちっちゃいし、細いし、私みたいに気が強くないし。ホントに、先輩が守ってあげたくなるのが分かるよ……」

「……そうかな?」

褒められているのかよくわからないけど、悪い気はしなかった。


「あたし、美夕になりたかったなー」


キラに悪気がないのはよく分かる。


だけど……ね。



そうやって、あたしは時々、キラの無邪気な言葉に胸を痛めるんだ。





あたしは、作り笑いを返すのも辛くて、目をつぶって

「ありがとう」

って呟いた。










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